現代社会のストレス・シャワーにより「できない」症候群が広がっている -----
アメリカのある高校で、とある実験が行われました。各クラスの担任の先生を集めて、心理学者がこう言ったのです。
「私は、あなた方のクラスの生徒全員に、天才の資質があるかどうかをテストしてみました。その結果がわかりましたので、ご報告いたします」
実は、その心理学者は、実際にはそのようなテストなど行っていなかったのです。
「あなたのクラスで天才の資質を持っているのは、A君とB君とCさんです。」
彼は各クラスの担任の先生に、次々にでたらめの実験の結果を教え、次のような言葉を残して、その高校を後にしました。
「この実験結果が、半年後にどのような現実を生むのか、楽しみにいたしております。私のこの実験結果に、先生方の教育力が加われば、きっと大変なことになっているでしょう。では、半年後に」
半年後、心理学者の言ったとおり、大変なことが起きました。天才の資質ありと名前をあげられた生徒の50%に、すばらしい成績の向上が見られたのです。いったいなぜ、そのような結果が生じたのでしょうか。
大きくは2つの原因があったと考えられます。1つは、担任の先生方の『天才の資質がある』と名前をあげられた生徒達に対する見方の変化です。担任の先生方は、心理学者がでたらめなことを言っているなどとは思ってもみませんから、『天才の資質がある』という情報を、すっかり信じ込みました。
「ああ、A君には天才の資質があるんだ。それならば、しっかりと教えないと申し訳ない。
それに、A君が、私の授業を理解できないとしたならば、それは私の教え方が悪いか、情熱が足りないからだ。A 君は、教え甲斐のある生徒なのだから、しっかりがんばろう」
そんな先生のA君に対する思いの変化に呼応するかのように、A君の先生に対する思い、勉強に対する思いも、大きく変化しました。これが2つめの原因です。
「先生が、特別に目をかけてくれているのだから、ぼくにはなんらかの力があるに違いない。よくしてくれる先生の期待を裏切ってはいけないし、もっとがんばろう」
A君は、先生の自分に対する思いの変化を、そのように受け止め、期待にこたえることによって、びっくりするほど成績を上げたのです。
「おまえは、何をやってもだめだなあ。こんなこともできないなんて、おまえはバカじゃないか」
先生に限らず、親も子供に対して、このような言葉を投げかけることがよくあります。
たまに口にするくらいならば、なんていうこともないかもしれませんが、年中こんなことを言い続けていると、やがて子供に大きな悪影響を与えることになってしまいます。
幼少期というのは、脳波のエネルギーが非常に高い時期なので、とくにそれらの言葉が潜在意識に強くプログラムされてしまうのです。
そのため、そように言われ続けてきた子供が、何かをやろうとして失敗すると、
「ああ、ぼくはやっぱりだめなんだ」
と、人一倍がっくりしてしまいます。そうして、「どんなに一生懸命にやっても、どうせできないんだから」
と、もうそれ以上、挑戦しようともしないし、努力しようともしなくなってしまうのです。以上のことは、成功と失敗の基本構造のようなものであり、私たち大人も例外ではありません。
私たちは誰しも、自分らしく生きたいと思っています。ビジネスで成功したいと望みます。あるいは自分の求めている能力を向上させたい、豊かな人間関係を構築したい、精神面を充実させ健康を維持したいといった願いもまた抱いています。問題は、それらをいかに実現する方向に持っていくかです。どうすれば、実現へのプロセスを見出し、可能性を引き出していくかということです。
そのために必要なことが2つあります。ひとつは、自分自身を、ポジティブな考え方を持てる自分に作り変えていくことです。ネガディブな想いや感情を手放すのです。
もうひとつは、自分の望む方向を光り輝かせ続けていくことです。それが結果的に自分が望む現実を作ってくれるからです。それこそが、自分の望む人生を生き、自分らしく生きるための重要な鍵なのです。
そして、それを効果的に実現させる為の方法として、右脳を活用していくことをお薦めします。右脳を使うことによって、最終的には私達がふだん使っていない潜在意識に働きかけ、効果的に実現できる方向に導いてくれるというわけです。右脳をうまく活用していくことで、自分らしい自分の望むような人生を送る可能性が開かれるのです。